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Channel: 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ
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ブログを始めて5年5ヶ月

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ブログを始めて5年5ヶ月(2010日)になりました。
のべ3686回の情報提供を致しました。
このうち質問コーナー(Q&A)は1737回を占めます。

 

最新の論文を紹介していますので、通常のクリニックではまだ取入れられていないことも多くあります。なお、論文に記載された内容以上のデータはありませんので、ご了承ください。


質問コーナー(コメント、メッセージ)へのお問い合わせへの回答は、現在5ヶ月弱かかっております。お急ぎの場合にはリプロダクションクリニックの外来でのご相談をお勧め致します。大阪・東京ともに1週間内外でご予約が可能です。

 

なお、メッセージコーナーに個別に回答を求めることを希望される方もおられますが、回答は「ブログを通じて」でしか行っておりません。個人への対応は診療行為となりますので、このような場合にもリプロダクションクリニックで直接ご相談ください。ブログのQ&Aコーナーは、同じ悩みを持つ多くの方に参考にしていただくために行っているものですので、質問内容も多少アレンジしておりますことをご了承下さい。

 

質問される前に、パソコンで左下の「このブログを検索する」を用いて検索をかけてみてください。ほとんどの場合に答えを得られるはずです(アメンバー限定記事はこの検索で引っかかりませんので、過去のものから順次通常記事に変更しています)。検索で引っかからないようでしたら、質問をお願い致します。ご理解頂きますようお願い致します。

 

私たちは、最先端の生殖医療を行うべく、大阪・東京ともにチームリプロとして、日々努力を続けております。

 


嬉しい報告:リプロ大阪と東京から①②

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①リプロ大阪から

夢みていた「嬉しい報告」のメッセージを送れる日がやってきました。無事に出産をすることが出来ました。
結婚して5年間、他院でタイミング治療→人工授精は10回以上、採卵2回(空胞2個)で、リプロ大阪に転院しました。
~転院して2年~
リプロ大阪での人工授精は8回、初めての採卵では20個弱も取れたのにほとんどが未熟卵で、凍結できたのは胚盤胞1個、分割胚1個のみ。たった2個しか凍結できず悔しい思いもし、その胚盤胞移植では着床すらせず、どうしようもない感情に押しつぶされ、しばらく治療をお休みした時期もありました。
不育検査を受けて臨んだ凍結胚移植‥また着床すらせず‥再度、採卵へ。。。今度は前回の未熟卵の多さを対策して下さり、未熟卵が大きく減り、6個もの胚盤胞を凍結することが出来、その内の1個で顕微授精、無事に妊娠へとつながりました!
採卵の痛みも、2度の子宮内膜ポリープ切除も、16週まで続いたヘパリン注射も、投薬も注射も、終わってみればなんでもないことですが、当時は辛くてたまらなかったです。たくさんのことを経験して、望んだ赤ちゃんとの毎日を一生懸命に過ごしたいと思います。原因という原因のない不妊の世界。治療をしていなかったら気付けなかったこと。たくさんあります。ここまでの道のりは長く、辛く、険しかったですけど、今、とっても幸せです。リプロに出会えて、先生方、スタッフの皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました。長くなってしまい申し訳ありません。まだ凍結胚盤胞があるので‥いつか産まれたばかりの息子に妹や弟を♡また宜しくお願いいたします。

 
リプロ東京から
35歳からタイミング〜人工授精〜顕微授精と行ってきましたが、一度も妊娠に至りませんでした。年齢も40歳に近づき、どうしても子供が欲しいと悩んでいたところ、ブログ友達が「リプロダクションクリニック大阪」に通院を始めたのをきっかけに先生を存じ上げることになりました(貴院に通院中、友人は妊娠〜出産いたしました)。そんな中、「リプロダクションクリニック東京」が開院する事を知り、開院後の混雑が予想しておりましたので、いてもたってもいられずに、「リプロダクションクリニック東京」の開院を待たずに、「リプロダクションクリニック大阪」へ通院を始めました。「リプロダクションクリニック東京」が開院した2016年2月には、すぐに転院をさせていただき、2度の顕微授精〜1度目の移植にて妊娠判定をいただきました。この期間、わずか4カ月間のスピードでした!!そして、先日、予定日より2週間ほど早くなりましたが、無事に男児を出産し、産院を退院する日が待ち遠しくて仕方がありません(現在41歳0カ月)。
私の年齢が40歳を過ぎていたにも関わらず、このようなスピードで治療を進めてくださり、また妊娠判定にまで結果を出してくださったことに、夫婦揃ってとても感謝しております。貴院には、まだ凍結胚がございますので、授乳が終わりましたら、すぐに第2子に向けて、またお世話になりたいと思っております。また、先生たちにおかれましては、とても多忙であるとは思いますが、どうかお体をご自愛いただき、私のような患者のために益々のご活躍を願っております。
 
コメント:皆様治療に際して様々な想いがあるかと思います。私は目標達成に向けて全力で取り組む姿勢を継続することを常に心がけております。

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雪崩のスピードは最大200km/h!発生しやすい条件、主な前兆現象などはこちら

Q&A1738 痩せてから妊娠治療と言われました

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アメンバー限定公開記事です。

☆葉酸 vs. 葉酸塩

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最近外来で質問が多くありますので、葉酸と葉酸塩、それに関する事項について整理しておきたいと思います。

 

葉酸 vs. 葉酸塩

葉酸はプテロリイルグルタミン酸であり、プテロリイルにグルタミン酸が結合してできています。

Folate(葉酸塩)ポリグルタミン酸型(プテロリイルにグルタミン酸が2つ以上結合)=食品中(天然)

Folic acid(葉酸)モノグルタミン酸型(プテロリイルにグルタミン酸が1つ結合)=合成(サプリ)

複数のグルタミン酸が結合していると吸収されにくいため、複数のグルタミン酸を切り離してモノグルタミン酸型になってから吸収されるようになります(ポリグルタミン酸型の生体利用率は約50%)。つまり、摂取するのがFolate(葉酸塩)かFolic acid(葉酸)かは問題ではなく吸収されるときは常にFolic acid(葉酸)であり、吸収されてしまえば全く同じです。

 

葉酸が不足しやすい原因

野菜不足(文字通り葉っぱに含まれる酸です)

調理による損失(熱に弱い、水溶性)

医薬品との相互作用(抗てんかん薬、抗リウマチ薬で吸収阻害)

MTHFR遺伝子多型(TT型で吸収率低下)

 

MTHFR遺伝子多型

日本人では、CC型33%、CT型51%、TT型15%の頻度で認められます(Kobe J Med Sci 2002; 48: 137)。

 

日本人におけるMTHFR遺伝子多型別Folic acid(葉酸)吸収率(Biochem Biophys Res Commun 2004; 316: 1210

日本人女性100名(CC型36名、CT型47名、TT型17名)を対象に、MTHFR多型別に血清葉酸濃度やホモシステイン濃度を測定したところ、葉酸(Folic acid)200μgでは改善されませんでしたが、葉酸(Folic acid)400μg摂取により、血清葉酸濃度及びホモシステイン濃度の各群間の有意差が解消されました。したがって、たとえ遺伝子多型(TT型)があっても、葉酸(Folic acid)サプリの補充で十分となります。

 

5-metyl THFサプリが必要か

MTHFRは5,10methylene THF(5,10 メチレンテトラヒドロ葉酸)を5-methyl THFに還元する酵素ですので、MTHFR遺伝子多型(TT型)があり、この酵素活性が低下している方には、直接5-methyl THFを補充するにこしたことはありません。しかし、現在のところ厚労省は5-metyl THFを食品やサプリメントとして認めていません。つまり、日本製の葉酸サプリメントではこの原料を使用できないため、海外から個人輸入するしかありません。ただし前述の通り、Folic acid(葉酸)400μg摂取により葉酸不足のリスクが回避できます。このため、厚労省もFolic acid(葉酸)でMTHFR遺伝子多型(TT型)の葉酸不足のリスク回避できるとしています。

 

吸収効率のよいFolic acid(葉酸)には過剰摂取のリスクがあるか

厚労省の食事摂取基準ではサプリメントとしてFolic acid(葉酸)は1日1000μgを上限と設定していますので、これを超えない範囲であれば問題ないとされます。また、Folic acid(葉酸)は合成であることから不純物の混入を指摘されることもありますが、それは精製技術の問題です(なお、リプロサポート社の製品は全く問題ありません)。

 

葉酸摂取による胎児の神経系異常の予防については、20世紀最大の発見の一つと言われています。ただし、葉酸のエビデンスは全てモノグルタミン酸型であるFolic acid(葉酸)からのものです。

結論的には、葉酸も葉酸塩も同じ効果を持っています。

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なぜ成人になりたての若者は消費者トラブルに巻き込まれやすいのか?事例も併せて紹介

Q&A1739 受精卵の中に気泡?

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アメンバー限定公開記事です。

☆葉酸と妊娠成績

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葉酸と妊娠成績についてのEARTHスタディーをご紹介します。

 

Am J Clin Nutr 2015; 102: 943 doi: 10.3945/ajcn.115.112185

要約:2007~2013年100名の女性で154周期の体外受精を行い、血清中の葉酸濃度及びビタミンB12濃度を測定し、妊娠成績との関連を前方視的に検討しました(EARTHスタディー)。なお、採血はCD3〜CD9に実施しました。葉酸濃度の下位1/4(<16.6 ng/mL)に対し上位1/4(>26.3 ng/mL)では、出産率が1.62倍に有意に高くなっていました。また、ビタミンB12濃度の下位1/4(<439 pg/mL)に対し上位1/4(>701 pg/mL)では、出産率が2.04倍に有意に高くなっていました。葉酸濃度とビタミンB12濃度が共に中央値以上(葉酸>20.5 ng/mLかつビタミンB12>534.7 pg/mL)の群は、共に中央値未満(葉酸<20.5 ng/mLかつビタミンB12<534.7 pg/mL)の群と比べ、出産率が1.92倍に有意に高くなりました(出産率の差としては26%になります)。

 

解説:葉酸不足を改善すると、成熟卵の増加、胚の質的改善、妊娠率増加につながるのではないかとする小規模な研究が2000年代前半にありましたが、出産率の改善までには至っていませんでした。一方、ビタミンB12不足と不妊の関連が小規模な研究で示唆されており、卵胞液中のビタミンB12濃度と胚の質に正の相関を認めるとの報告もありました。しかし、英国の大規模な検討では、血中葉酸濃度およびビタミンB12濃度と妊娠成績の関連は認められませんでした。本論文はこのような背景の元に行われ、血中葉酸濃度およびビタミンB12濃度が出産率と正の相関を示すことを明らかにしています。ただし、本論文は本来食事で摂取された葉酸とビタミンB12の濃度による妊娠成績の違いを示したものであり、サプリメントで補充した場合の有効性を示したものではありませんのでご注意ください。

 

EARTH(Environment and Reproductive Health)スタディーは、生活環境と妊娠を前方視的に検討するスタディーです。これまでに下記の論文を紹介してきましたが、どれもこれまでになかった貴重な知見を提供してくれています。これからもEARTHスタディーから目が離せません。

2018.1.23「☆オメガ3脂肪酸摂取で妊娠成績向上

2017.9.5「アルコールとカフェイン摂取について

2016.12.29「フタル酸が胚発生に与える影響

2016.6.26「全粒粉摂取と子宮内膜厚、妊娠率の関係
2016.3.27「食生活は体外受精の成績に影響を及ぼすか?」
2016.1.19「フタル酸による卵巣予備能低下」
2015.6.11「☆野菜や果物の農薬量と男性不妊の関係」


Q&A1740 37週死産

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アメンバー限定公開記事です。

☆☆葉酸とメトホルミン  

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葉酸と妊活に関するポーランドのガイドラインをご覧になった患者さんから、葉酸とメトホルミンについて質問がありましたので調べてみました。まず、その元論文をご紹介します。

 

①Ginekol Pol 2017; 88: 633(ポーランド) doi: 10.5603/GP.a2017.0113

要約:胎児異常のリスク別の葉酸およびビタミンB12推奨量を記します。

低リスク(健康な女性かつ自身や家族に胎児異常の経験なし)→妊活12週前から葉酸400μg/日服用

中リスク(自身や家族に胎児異常、低体重児出産既往、妊娠高血圧症候群既往、妊娠糖尿病、潰瘍性大腸炎、クローン病、セリアック病、肝障害、透析、肥満症手術後=減量手術後、肥満、抗てんかん薬、メトホルミン、MTX、コレスチラミン、スルファサラジン、タバコ、アルコール、MTHFR活性低下→妊活12週前から葉酸800μg/日+ビタミンB12服用

高リスク(自身や家族に神経管の異常)→妊活12週前から葉酸5mg/日+ビタミンB12服用→妊娠中期から葉酸800μg/日に減量

 

解説:WHOのガイドラインを始め各国のガイドラインをみても、通常は低リスクと高リスクの2群に分類されています。したがって、中リスクの記載はポーランド独自のものではないかと推察します。また、胎児のアレルギー疾患のリスク低下のため、通常は妊娠中期以降は葉酸を中止するのですが、このガイドラインでは妊娠全期間と授乳中も葉酸摂取を推奨しています。他国からすると少し異なるガイドラインであるようです。さて、メトホルミンは中リスクに分類されていますが、果たしてメトホルミン服用により葉酸代謝に変化が生じるのでしょうか。その件に関する論文を調べてみました。

 

②Nutrients 2016; 8: 798(中国)doi:10.3390/nu8120798

要約:メトホルミン投与によるホモシステイン濃度を検討したランダム化試験のメタアナリシスを実施したところ、12論文が該当しました。全体としては、メトホルミン投与によるホモシステイン濃度の有意な変化は認めませんでしたが、サブグループ解析では、葉酸あるいはビタミンB群投与がない場合にのみメトホルミン投与によるホモシステイン濃度の有意な増加を認めました。逆に、葉酸あるいはビタミンB群投与がある場合には、メトホルミン投与によるホモシステイン濃度の有意な低下を認めました。

 

③J Hum Reprod Sci 2017; 10: 95(イラン)doi: 10.4103/jhrs.JHRS_74_16

要約:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方には耐糖能異常がしばしばみられ、メトホルミンが投与されます。PCOSの方18名を対象に半年間のメトホルミン投与(1000mg/日)によるホモシステイン、葉酸、ビタミンB12の濃度変化を前方視的に検討しました。メトホルミン投与前後でビタミンB12濃度は有意に減少しましたが、ホモシステインと葉酸の濃度に有意な変化は認めませんでした。BMIとインスリン抵抗性によりサブグループ解析を実施したところ、BMI>25およびインスリン抵抗性ありの場合にメトホルミン投与前後でビタミンB12濃度は有意に減少しました。また、BMI>25の場合にのみメトホルミン投与前後でホモシステイン濃度は有意に増加しました。

 

解説:葉酸代謝には、ビタミンB12、メトホルミン、MTHFRなどが関与しています。まず理解しやすくするために、葉酸代謝関連経路を図示します。

 

 

一般に、ホモシステイン濃度増加は健康に良くないのではないかと考えられています。葉酸代謝を回転(促進)させることでホモシステイン濃度が低下しますので、葉酸、ビタミンB12、5メチルTHFはホモシステイン濃度低下になり、MTX、メトホルミン、MTHFR遺伝子多型(TT型)はホモシステイン濃度増加につながります。

論文②は、メトホルミン投与によるホモシステイン濃度変化を検討したものであり、葉酸あるいはビタミンB群を使用していれば、メトホルミン投与によるホモシステイン濃度の増加は見られずむしろ低下することを示しています。論文③は、メトホルミン投与によるビタミンB12およびホモシステイン濃度変化を検討したものであり、メトホルミン投与によりビタミンB12低下が見られることを示しています。また、BMI>25の場合にのみメトホルミン投与によりホモシステイン濃度増加を認めています。すなわち、メトホルミン投与によるホモシステイン濃度増加は限定的なものであり、葉酸and/orビタミンB12を用いていれば全く問題ないと考えます。

 

ホモシステイン濃度増加は、脳梗塞、認知症、心血管疾患、胎児神経管欠損症のリスク因子であることが知られていますが、最新のcochrane reviewによると、ホモシステイン濃度を低下させる治療(葉酸、ビタミンB12、5メチルTHFなど)が有効なのは胎児神経管欠損症に対してのみであり、脳梗塞、認知症、心血管疾患に対する有効性は証明されていません。また、ホモシステイン濃度増加が流早産や胚発生障害のリスク因子であることを示唆する論文が散見されますが、その因果関係については明らかにされていません。したがって、流早産や胚発生障害に関してホモシステイン濃度を低下させる治療(葉酸、ビタミンB12、5メチルTHFなど)の有効性も証明されていません。さらに、ホモシステイン濃度増加と異常胚増加の関連も明らかにされていません。

 

結論的には、ホモシステイン濃度増加は妊娠治療に何らかのデメリットがあるかもしれませんが、葉酸やビタミンB12を摂取していれば何も心配することはありません

 

葉酸シリーズは以上で終了です。下記の記事を参照してください。

2018.2.17「☆葉酸 vs. 葉酸塩

2018.2.18「☆葉酸と妊娠成績

Q&A1741 移植8回、流産1回

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☆黄体ホルモンによるLHサージ抑制 その5

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上海のグループは、卵胞期の黄体ホルモン投与によりLHサージを抑制する新たな排卵抑制法を開発し、PPOS(progesterone primed ovarian stimulation)と名付けました。その論文ではMPA(medroxyprogesterone acetate 10mg/日)が用いられており、2017.12.7「☆黄体ホルモンによるLHサージ抑制 その4」の記事でご紹介しました。今回は、同一グループからの第2報(ウトロゲスタン)と第3報(デュファストン)ご紹介します。

 

①Medicine 2015; 94: e909(上海)doi: 10.1097/MD.0000000000000909

要約:2013〜2014年に体外受精を実施した374名を対象に黄体ホルモン投与群(ウトロゲスタン群)187名と通常の対照群(ショート法)187名の2群に分け、培養成績や妊娠成績を比較検討しました(後方視的検討)。なお、38歳未満、過去3ヶ月の生理周期正常(25〜35日周期)、CD3のAFC4個以上、FSH<10を対象とし、子宮内膜症、PCOS、過去3ヶ月のホルモン剤投与歴のある方を除外しました。ウトロゲスタン200mg/日をCD3から投与開始し、2群とも同じ刺激法を行いました。また、ウトロゲスタン群のトリガーはGnRHaかhCG 3000単位、ショート法のトリガーはhCG3000単位としました。全胚凍結後、融解胚移植を実施しました。2群間の採卵数、採卵率、成熟率、受精率、分割率、凍結胚数、キャンセル率、初回融解胚移植での妊娠率に有意差を認めませんでした。有意差の見られた項目は、総hMG投与量(ウトロゲスタン群1884単位 vs. ショート法1446単位)およびhMG投与期間(ウトロゲスタン群8.9日 vs. ショート法8.3日)のみでした。なお、早発LH上昇、OHSSは1例も見られませんでした。

 

②Hum Reprod 2018; 33: 229(上海)doi: 10.1093/humrep/dex367

要約:2015〜2016年に体外受精を実施した516名を対象に、デュファストン投与群260名とMPA投与群256名の2群に分け、培養成績や妊娠成績を比較検討しました(ランダム化試験)。なお、36歳以下、過去3ヶ月の生理周期正常(25〜35日周期)、BMI 18〜26を対象とし、AMH<1.0 ng/mL、子宮内膜症、PCOSの方を除外しました。パワー分析から各群の人数を算出し、1人1登録としました。デュファストン20mg/日あるいはMPA10mg/日はCD3から投与開始し、同時にhMG刺激を開始、ダブルトリガー(GnRHa+hCG 1000単位)を用いました。全胚凍結後、融解胚移植を実施しました。2群間の採卵数、採卵率、成熟率、受精率、分割率、凍結胚数、キャンセル率、初回融解胚移植での妊娠率に有意差を認めませんでした。有意差の見られた項目は、総hMG投与量(デュファストン群1912単位 vs. MPA群1959単位)および卵巣刺激中のLH値(デュファストン群>MPA群)のみでした。なお、両群ともに早発LH上昇、OHSSは1例も見られませんでした。

 

解説:上海グループの黄体ホルモン(MPA、ウトロゲスタン、デュファストン)によるLHサージ抑制の3つの論文(2017.12.7「☆黄体ホルモンによるLHサージ抑制 その4」、論文①②)は、どのような種類の黄体ホルモンを用いても同じように排卵抑制が可能であることを示唆します。ロング法、ショート法、アンタゴニスト法に続く第4の排卵抑制法となります。なお、本論文の著者は、P4採血により投与した薬剤が検出されてしまう天然型黄体ホルモン製剤は、生体内からの黄体ホルモンがどの程度出ているかを判断できないため使いにくいとしています。ここではウトロゲスタンがそれにあたります。また、MPAとデュファストンを比較した論文②から、デュファストンによるLH抑制はMPAよりも弱いためhMG投与量が減らせるとしています。一方、過去に発表された論文ではデュファストン10〜20mg/日では排卵抑制ができなかったとの報告もありますので、最適な黄体ホルモン製剤については今後の検討課題です。

 

下記の記事を参照してください。

2017.12.4「☆黄体ホルモンによるLHサージ抑制 その1

2017.12.5「☆黄体ホルモンによるLHサージ抑制 その2

2017.12.6「☆黄体ホルモンによるLHサージ抑制 その3

2017.12.7「☆黄体ホルモンによるLHサージ抑制 その4

Q&A1742 32歳、移植1回不成功

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リプロ東京開院1年

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本日で、リプロ東京開院1年になりました。

実に慌ただしい1年でした。

東京と大阪の往復にもだいぶ慣れました。

一人でも多くの方に妊娠して欲しい思いで日々過ごしております。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

お知らせ:​リプロダクションクリニック松林3月の勤務

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リプロダクションクリニック「大阪」「東京」は毎日診療をいたしております。

3月の松林の診察日については、下表をご覧下さい。

診察日を記載していますので、お間違いないようお願いいたします。

 

 

当院は、高度な診療を行うため、常勤と非常勤を合わせて、現在生殖医療専門医が12名おります。当院は松林を中心に議論を重ね、一貫したリプロダクションクリニックの治療方針を徹底しておりますので、松林が不在の日にも不都合がないようになっております。


Q&A1743 受精卵の分割速度と染色体異常の関係は?

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いいね記事ベスト150

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アメブロでは、2013.8.29より「いいね」が導入されました。
100件以上「いいね」がついた記事を多い順にご紹介いたします。

 

いいね数

501 2016.10.24「ただ赤ちゃんを授かりたいだけなのに、、、
445 2013.1.23「☆☆☆不妊クリニック通院前にして欲しいこと

418 2015.7.10「ルイボスティーについて

366 2015.11.7「☆☆妊娠判定陰性の時の考え方:オプション検査の是非
343 2014.5.29「☆☆妊娠には「ニュートラルな気持ち」で!

330 2017.5.23「☆☆妊娠に必要な知識③治療の進め方

318 2014.8.7「☆☆着床の窓はいつ開く?

305 2014.8.18「☆何歳まで妊娠できる?

297 2014.9.3「☆胚盤胞のグレードと染色体異常

294 2014.9.14「☆流産しにくい生活習慣とは?

289 2012.11.21「☆子宮後屈の方へ ワンポイントアドバイス

260 2015.6.27「☆母体の加齢に伴いお子さんの自閉症は減少する

256 2014.6.14「☆体外受精、顕微授精による赤ちゃんの男女比

247 2015.8.21「☆ニュートラルな気持ちへの持っていき方

247 2013.5.30「☆妊娠初期の出血は大丈夫?

243 2016.10.30「妊娠治療で生まれたお子さんの知能調査

243 2017.5.21「☆☆妊娠に必要な知識②精子と卵子の違い

232 2015.1.31「45歳以上の妊娠:体外受精と自然妊娠の比較

232 2012.9.18「☆タイミングの取り方間違ってませんか?

231 2015.6.20「判定日のhCG値と妊娠継続の関係

228 2017.11.14「☆体外受精の流産は次の出産につながる

220 2014.11.14「☆妊娠治療10年後の女性の心理状態は?

216 2013.2.4「祈ると妊娠率が上がる?

214 2014.12.13「☆新しい不育症の考え方:着床促進

214 2017.8.11「ヘパリンをお使いの方へお知らせ

211 2014.11.29「流産後に次の妊娠までにかかる時間

210 2016.2.25「☆妊娠初期にストレスを受けた母親から生まれた女児は不妊になりやすい?

204 2017.8.12「ヘパリンをお使いの方へお知らせ その3

204 2017.7.23「自然妊娠する人の75パーセントは3ヶ月以内に妊娠している?

198 2014.6.22「私の妊娠治療

197 2014.12.18「☆着床前診断について

194 2014.2.10「☆妊娠を目指す上での心の拠り所(キーパーソン)とは?

192 2015.5.10「☆黄体機能不全:学会のオフィシャルコメント

188 2016.4.12「正常胚が着床しないのは何故? その1

187 2016.1.10「体外受精妊娠と自然妊娠のお子さんの発達状態の違い

186 2017.8.12「ヘパリンをお使いの方へお知らせ その3

185 2015.5.4「☆子宮内環境は食事で変わる

181 2017.4.24「☆胚移植ガイドライン:ASRM

181 2014.9.10「☆人工授精の精子調整時間と妊娠率の関係

180 2016.2.9「☆着床期の性交の是非

178 2017.6.7「☆内膜の厚さは何ミリだったら良い?

170 2016.4.17「正常胚が着床しないのは何故? その2

168 2016.6.18「1周期に2回採卵する新たな方法:デュオ刺激法

166 2016.11.21「人工授精での黄体補充は必要か

166 2017.5.20「妊娠成立に必要な知識:プロローグ

166 2017.11.7「☆膣内射精した精子の移動

163 2014.9.20「☆胚のグレードは胎児異常とは無関係

162 2016.12.26「妊娠前のBMIが妊娠率や妊娠予後に及ぼす影響

162 2016.2.7「☆☆妊娠治療の盲点①「原因」と「リスク因子」の違い

162 2017.4.5「☆☆☆当院で実施のオプション検査について

160 2015.8.24「☆内膜の厚さよりも見え方が重要

160 2016.5.14「不妊症の方はAMHが低いのか?

159 2014.5.7「私の卵巣刺激方法

158 2017.5.24「☆☆妊娠に必要な知識④ライフスタイル

157 2016.10.29「☆流産判明時のエコー所見と胎児染色体異常の関係

157 2016.3.27「食生活は体外受精の成績に影響を及ぼすか?

156 2015.8.19「☆ADHDは先天的?後天的?

153 2016.2.14「☆刺激周期の勧め

152 2015.4.11「☆年齢別流産率

152 2017.8.14「☆銅亜鉛と着床の関係

151 2016.8.9「☆女性の年齢別染色体異常頻度 その2

148 2016.11.3「☆分割胚移植と胚盤胞移植の累積生産率

147 2018.2.3「☆フェリチンと不妊症の関連は?

147 2016.9.21「AMHに影響を与える生活習慣

147 2016.1.11「卵子の温存には禁煙と適度な飲酒がお勧め!?

145 2016.10.14「顕微授精で生まれた男性の精液所見は良くない?

144 2015.5.26「☆不妊症と赤ちゃんの先天異常の関係

142 2017.2.7「妊娠前後にストレスを受けた母親から生まれた男児は生殖器異常が生じやすい

142 2016.4.7「何回採卵したらよい?

141 2014.10.6「☆着床の窓がズレている場合

140 2015.7.17「アシステッドハッチングの影響は?」 

139 2016.12.4「☆ビタミンD製剤はいつ服用すればよいか

139 2013.2.13「☆女性ホルモンのサプリは本当に健康によいか:日本編

138 2016.4.21「卵巣予備能は生まれつきではない?

138 2017.9.5「アルコールとカフェイン摂取について

137 2017.3.22「Q&A1403 ☆重い物を持つと流産するのは本当ですか?

136 2015.9.17「医師の一言の重み

136 2016.3.31「妊娠中のビタミンD大量投与

135 2014.12.29「☆着床前診断(PGS)したらどうなる?

134 2016.9.30「体外受精をされる方は自然妊娠でも妊娠予後不良のことが多い?

132 2015.9.11「☆つわりの治療指針

130 2016.1.13「体外受精の出産率の予測計算式からわかること

130 2017.8.11「ヘパリンをお使いの方へお知らせ その2

129 2015.10 27「☆葉酸摂取と喘息の関係

128 2017.1.18「DHEAは着床障害を引き起こす?

127 2015.8.4「☆プトレシンによる卵子老化改善策

127 2017.9.9「黄体ホルモンと着床の関係

125 2016.12.13「☆流死産後、次の妊娠までの理想的な期間は?

124 2017.8.11「ヘパリンをお使いの方へお知らせ その2

124 2017.5.20「☆☆妊娠に必要な知識①妊娠成立の仕組みと検査の限界

124 2016.6.28「☆一般集団における女性の年齢による自然妊娠率の低下

123 2016.3.20「☆AMH<0.16の場合の治療成績

123 2016.12.24「☆予定日のカウントの仕方

123 2012.9.16「不妊症という言葉を使うのはやめよう

122 2015.12.26「甘味は麻薬より依存性が強い!?

122 2016.1.4「女の子が欲しい時、夫に痩せてもらう?

121 2017.7.11「原因不明不妊症には卵巣刺激+人工授精か体外受精か

121 2016.7.24「小さい卵胞からの採卵は?

121 2016.5.29「まずは人工授精から

121 2016.6.26「全粒粉摂取と子宮内膜厚、妊娠率の関係

119 2017.3.22「Q&A1403 ☆重い物を持つと流産するのは本当ですか?

119 2015.6.4「☆ヘパリンの胎盤形成促進作用

119 2017.3.23「甲状腺機能と胎盤機能

118 2016.3.22「☆☆出産に必要な卵子の個数は?

118 2017.4.14「正常胚率は施設によって異なる!?

117 2016.10.21「AMHの変化について

117 2016.2.3「抗リン脂質抗体症候群の不思議

117 2016.3.4「医療経済学からみた1個胚移植と2個胚移植

116 2017.8.20「健康な女性におけるビタミンDと妊娠の関係

115 2017.4.5「☆☆☆当院で実施のオプション検査について

114 2017.8.14「☆銅亜鉛と着床の関係

114 2017.6.21「☆女性の喫煙は孫の世代の妊孕性にも悪影響

114 2014.6.30「☆着床期の性交の是非

114 2017.7.21「体外受精による出生児の認知発達機能:生後11年調査

113 2015.5.18「卵巣刺激を変えても正常胚数は同じ?

111 2014.8.26「習慣流産の方が出産するまで

111 2015.6.28「☆男性の加齢に伴うお子さんの異常や疾患

111 2016.1.20「流産処置と早産の関係

110 2016.12.5「☆不育症とビタミンDの関係

110 2016.5.25「妊娠初期のhCG増加率と妊娠予後の関係

109 2015.7.6「ライフスタイルと妊娠:実際のところは?

109 2015.8.30「☆妊娠中のAMHの変化で早産の予測!?
109 2017.6.28「ガニレストについて

109 2014.10.20「☆多くの成熟卵を得る改善策

109 2013.9.2「☆「どっちが悪い」はやめましょう

108 2016.3.21「☆太ると着床障害になる?

108 2017.12.26「砂糖含有清涼飲料水(ソーダ)は妊娠には良くない

108 2016.1.6「☆PGS胚と流産胎児の染色体異常の違い

108 2015.1.26「何個採卵したらよい?

107 2015.5.8「カフェイン摂取と流産の関係

107 2018.1.9「母乳と自己免疫疾患の関係

106 2015.10.10「男の子の胚盤胞は出生時の体重が重い
106 2016.6.3「ヒト胚を13日間培養する新たな方法

106 2016.8.29「中東の妊娠治療の特徴

105 2017.3.30「☆妊婦リステリア症

105 2017.5.3「☆ミオイノシトールの効能

105 2017.8.4「子宮外妊娠のリスク

104 2014.1.4「エンジェルサウンドとは?

104 2014.1.17「☆☆「良い卵子」とは?

104 2014.11.24「人工授精で生まれた赤ちゃんのリスクは?

103 2015.7.22「☆へパリン治療の有効性
103 2016.8.24「帝王切開は次の胚移植の成績に影響を与えるか?

103 2017.2.4「☆自然妊娠を目指す場合のポイント:ASRM公式見解

103 2017.9.24「☆正常値は誰のため?

103 2012.12.1「☆何月が妊娠しやすい?

102 2015.3.25「☆人工授精では子宮内へ精子を入れなくても良い?

102 2017.5.30「☆原因不明不妊には体外受精か人工授精か?

101 2014.8.10「「着床の窓」について

100 2017.7.4「免疫学的不妊治療

100 2016.7.29「☆流産しにくい生活習慣とは? その2

嬉しい報告:1人目に続き2人目の嬉しい報告

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2015.3.12「Q&A629 体重減少性無月経、FSH<1、LH<0.2」にて質問させていただき、2015.10.31「嬉しい報告」にて妊娠を報告させていただいたものです。
2016年に無事に出産し、断乳や治療再開の時期をどうするか、先生のブログを参考にしながら考えておりました。2人目も欲しいことと、産後1年以上経っても生理が来なかったことから、再度クリニックに通い始めました。凍結胚が2つ残っているものの、復職後のあわただしさもあり、まずはタイミング法を行うことにしました。第1子の時は自力では全く排卵しませんでしたが、産後は周期が長いながらもクロミッドのみで排卵するようになりました。そして、4周期目で妊娠することができ、今は安定期に入りました。主治医も家族も驚きでしたが、妊娠・出産したことでホルモンの値も改善し、第2子を授かるに当たってプラスになったのだと思っています。
先生のブログを見て、いつも勉強させられたり、励まされたりしていました。本当にありがとうございました。

 

コメント:出産をきっかけに身体の機能が大きく変化することがありますので、良い方向に向かったのだと思います。本当に嬉しいですね。

Q&A1744 自己注射が不安です

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アメンバー限定公開記事です。

嬉しい報告:リプロ大阪で第2子第3子

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約3年間リプロ大阪へ通院し、昨夏に二卵性の双子を出産しました。
第1子は結婚直後に自然妊娠したため、よもや2人目不妊でARTへ進むことになろうとは、貴院の門を叩いた当初は予想だにしておりませんでした。AMHを検査してみたところ「卵巣年齢」は実年齢より10歳以上高齢との結果でショックでしたが、刺激法を工夫して頂き、4回の採卵では毎回10個ほど採って頂けました。4回を通して凍結できたのは、初期胚2つと胚盤胞3つでした。採卵1回目から4回目までの間に、1年半歳を取りました。4回目は全滅で、年齢が少しでも若いうちに採卵することの大切さを実感しました。
胚盤胞を2回戻しても結果が出なかったため、3回目には初期胚と胚盤胞の二段階移植を行い、双胎妊娠に至りました。はじめは単純に双子を喜んでおりましたが、切迫早産、切迫流産、胎盤機能不全疑い、母体の腎機能不全と、妊娠週数が進むにつれて双胎の厳しさを思い知らされました。最後には母体が持ちこたえられなくなり、36週早産での帝王切開となりました。松林先生がたびたび仰っている「二人の拳児を得たいなら双子よりも二回の単胎妊娠が最善」というのは本当だと、身をもって知りました。また、出産後の育児も第一子の時より過酷で、自分が双子育児を甘くみていたと痛感しました。それでも、切望していた第2子を授かり、さらに私のAMHでは無理だろうと諦めていた第3子までをも出産できて、本当に幸せです。
毎回の採卵や移植を、結果がふるわずとも次につなげてくださる、徹底して継続的改善に取り組む貴院の姿勢を尊敬しております。私の治療履歴も、貴院のノウハウの一部としてお役立て頂けたら嬉しいです。ちなみに、3回目の移植当時、私は不妊治療を始めてから遠ざかっていた趣味に再び熱を上げており、不妊治療は良い意味で「片手間に」行っている状態でした。松林先生はニュートラルな気持ちの大切さを説いてらっしゃいますが、正にその通りですね。妊娠・出産という、私の人生の一大事に深く関わってくださって、本当に有難うございました。貴院の今後ますますのご発展を、心よりお祈りしております。

 

コメント:少し時間がかかってしまいましたが、双子の出産大変嬉しく思います。双子の子育ては大変ですが、苦労も倍ですが喜びも倍になります。ぜひ楽しく子育てを頑張ってください。

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